「終活」と聞くと、どうしても「死」とは切り離せないので、なんだか暗い印象がありますね。
死んだ後に自分が入る墓地を契約したり、銀行口座や身の回りのことを整理したり・・・残された人に迷惑をかけないようにしておくこと、というのが一般的によく言われている「終活」だと思います。
でも私が考える「終活」とは、そう言ったまわりの人に向けた後片付け的なものではなくて、人生の最期を迎える時に後悔しないために、やりたいことをやっておくことだと思っています。
もちろん一般的な「終活」はやっておく事が大前提ですが。
「死」を、そこまで身近な事とはまだ思っていませんが、それでも50歳を超えてみると、30代40代に比べて多少はリアルに感じるようになりました。
自分は最期にどんな人生だったと思うのか、幸せで豊かな人生だったと思えるのか、最期のその時、後悔がないと言える人生を送りたい・・・。
今までのがむしゃらに働いてきた人生も悪くないけど、これからはもっと自分のため夫婦のために時間を使って、「やるべきこと」や「やりたいことをやった」と言えるようになりたい、そう思ったのです。
それは1冊の本との出会いから強く思うようになりました。
Contents
「死ぬときに後悔すること25」を読んで最期の時の価値観に共感した
この本には25項目の「死ぬときに後悔すること」のリスト(目次)があります。
第一章 健康・医療編
1. 健康を大切にしなかったこと
2. たばこをやめなかったこと
3. 生前の意思を示さなかったこと
4. 治療の意味を見失ってしまったこと
第二章 心理編
5. 自分のやりたいことをやらなかったこと
6. 夢をかなえられなかったこと
7. 悪事に手を染めたこと
8. 感情に振り回された一生を過ごしたこと
9. 他人に優しくしなかったこと
10. 自分が一番と信じて疑わなかったこと
第三章 社会・生活編
11. 遺産をどうするかを決めなかったこと
12. 自分の葬儀を考えなかったこと
13. 故郷に帰らなかったこと
14. 美味しいものを食べておかなかったこと
15. 仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
16. 行きたい場所に旅行しなかったこと
第四章 人間編
17. 会いたい人に会っておかなかったこと
18. 記憶に残る恋愛をしなかったこと
19. 結婚をしなかったこと
20. 子供を育てなかったこと
21. 子供を結婚させなかったこと
第五章 宗教・哲学編
22. 自分の生きた証を残さなかったこと
23. 生と死の問題を乗り越えられなかったこと
24. 神仏の教えを知らなかったこと
第六章 最終編
25. 愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと
この25項目の中で特に気になったのが
16. 行きたい場所に旅行しなかったこと
です。
要するに、一生懸命に仕事をして収入を得、高級な車や腕時計を所有しても最期の死ぬときには結局あちらへは持っていく事はできません。
そんな高級な物を所有するより、行きたい場所へ旅行して美味しいものを食べて、記憶として持っていた方が後悔は無いのではないかと思いました。
人それぞれ価値観は違いますが、最期は皆同じレベルになるのかもしれませんね。
最期に後悔しないための「終活旅行」とは
私が考える終活旅行とは、人生の最期を迎える準備として霊園や墓地を見て回るという事ではなく、自分が最期を迎える時に「あの場所に行っておけばよかった」と後悔しないようにするための旅行です。
それはできれば夫婦で共有する事が大切だと思っています。何故なら自分の人生とは切っても切り離せない、大切なパートナーと共に思い出を共有する事が重要だと思うからです。
50歳を過ぎると、夫婦ともに元気で旅行に出掛けられるのは、あと20数年しかありませんから計画的に行先を検討していく必要があります。
交通の便や気候などが厳しい場所には体力のある早いうちに行った方がいいし、60歳を過ぎたら旅程にゆとりのある、ゆったりとした旅がいいですね。
そんな私の考えた「終活旅行」ですが、旅行記を地域別にまとめた記事がありますので是非ご覧ください。
夫婦で話し合い、行ってみたいと思う場所に行く
私の考える終活旅行は夫婦で行くのが前提なので、まずは夫婦で話し合い、お互いが行きたいと思う場所を訪れるのがいいと思っています。
景色がいいところ、気候がいいところ、有名な観光名所があるところ・・・行ってみたいところを挙げるとたくさんあってキリがないです。
夫婦で行き先が一致する事も、一致しない事もあるでしょうが、一致しなくても行ってみれば、新たな発見があるかも知れません。
妻の意向であり自分が興味の無い場所だったとしても、行って見れば新らしい発見があるかもしれない。それも旅の醍醐味ですよね。
いくつになってもそんな体験は嬉しいし楽しいし、人生に刺激を与えてくれるような気がします。
そういった意味からすると、妻の意向も積極的に取り入れようと思います。
夫婦それぞれの思い出の場所に行く
これまでの人生で訪れたことのある思い出の場所、住んでいた場所、生まれた場所など、夫婦それぞれにゆかりのある土地に行くのもいいでしょう。
自分にとって、または妻にとっての思い出の場所、そんな場所を二人で訪れれば、おのずと夫婦の思い出話に花が咲きますし、人生を振り返ったりもするでしょう。
自分自身のこれまでの人生のことや、いつ迎える事になるかわからない自分の最期のことなどをじっくり考えるいい時間が持てそうな気がします。
そんな感傷に浸って思い出話をすれば、お互いの知らなかった面が見えてくるかも知れません。
夫婦で神社仏閣や歴史的建造物を見に行く
長い時間を積み重ねてきた寺社仏閣や歴史的建造物には、それまで多くの人々を魅了してきた力があると思います。
いわゆるパワースポットと言われたりもしますが、何かご利益があるとかそんな具体的な事ではなく、行ってみて清々しい気持ちになったり、リフレッシュできたり、建築技術の素晴らしさに圧倒されたり、何かしらエネルギーがあって見る人の心に響く、そういったものを実際に見てみたいです。
国内の「世界遺産」を全て見に行くのもいいかもしれません。
若い頃は旅先のアクティビティを楽しみにしていたりもしましたが、今ではゆったりじっくり、良いものを見て気持ちを豊かにする事に楽しさを感じます。
【新着】終活旅行記事はこちら
私の考える「終活旅行」のまとめ
「死ぬときに後悔すること25」という本を読んだ時、人は多かれ少なかれやり残したことがあり、だから死ぬ時にこのような25項目の後悔をするものだと書かれていたのを読んで、深く考えさせられました。
人はいつ死ぬかはわからない、けれど極端に言えば明日死ぬかもしれない覚悟を持ち懸命に生きていけば、その時の後悔は少なくて済む。じゃあ自分にとって後悔の少ない人生にするにはどうしたらいいのだろう?
仕事を一生懸命してお金を貯めたり、大きな家に住んだり、高級な車を持っていたり・・・そんな物理的なものではなく、きっと最期は精神的に豊かな人生を歩んできていた方が「最期の後悔」は少ないんじゃないかと思いました。
そして私にとっての精神的な豊かさとは、妻とともに素晴らしいものを見て、感じて、美味しいものを食べていろいろな経験を重ねていく、その全てが共に経験してきた「夫婦旅行」だという事です。
今では人生100年時代と言われるほど、みんな元気で長寿になりました。自分が一体何歳まで生きるのか、どんな最期を迎えるのかは全く想像もつきませんが、それまでに妻との終活旅行を重ね、願わくは「後悔のない、いい人生だった」と言えたらいいなと思っています。
それでは今回は以上です。
コメント頂けると嬉しいです。お気軽にどうぞ。