「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」と伊勢音頭の一節に歌われる通り、江戸時代には伊勢神宮に参拝した後は金剛證寺にもお参りするのが良いとされていたそうです。
旅のポイント
名古屋から始まり伊勢神宮、金剛證寺を詣でて鳥羽・伊勢志摩を巡る2泊3日の旅。
各地の美味しいもの、美しいものとともに、伊勢神宮の鬼門を守ると言う金剛證寺の特別な年の出来事や、避けるべき「片参り」についてご紹介します。
Contents
お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り
朝熊岳金剛證寺(あさまだけこんごうしょうじ)は、伊勢から車で15分ほどで、伊勢と鳥羽の間の朝熊岳にあります。
このお寺の創建はなんと6世紀!伊勢神宮の北東にあり鬼門を守るお寺として、すでに室町時代には有名だったようです。
江戸時代には徳川家からの援助もあって、伊勢神宮への参拝とともにここ金剛證寺へもお参りするようになったみたいですね。
私たちは伊勢神宮から伊勢志摩スカイラインに乗って車で訪れましたが、当然江戸時代はみんな山道を歩いてやってきていたわけです。
車なら伊勢から15分くらいのところ、徒歩だと麓から2時間半くらいかかるそうなので、車がなければなかなか来にくいところですね。
静寂な山の中、威厳と歴史を感じさせる仁王門が私たちを出迎えてくれました。一体どんなお寺なんでしょうか。
伊勢神宮の鬼門を守る金剛證寺!特別な年に何かが起こる!
私たちが金剛證寺を訪れたのは2014年。その前年である2013年に伊勢神宮では式年遷宮が行われました。大きくニュースでも取り上げられていましたよね。
実はここ金剛證寺では、式年遷宮の翌年は御本尊である虚空蔵菩薩が一般公開されるそうなのです。
伊勢神宮でデューク更家さんが言っていたのはコレだったんですね!
実際、私たちの後にデューク更家さんもいらっしゃっていました!
満虚空蔵菩薩は人々に知恵や記憶力、知識を授けてくれる格の高い菩薩様で、学業や仕事などにご利益があるそうです。知恵や知識やどんな時代でも人々の生活に欠かせないもの。そのご利益にあやかりたいと参拝する人はたくさんいるでしょうね。
仁王門を抜けると池にかかった太鼓橋が見えます。その先に、壁や柱が全て朱塗りの美しい本堂が見えてきました。
それにしても寺社建物の造りってすごく綺麗ですよね。流れるような屋根の勾配と絶妙な角度の反り、無駄な柱や支えがなくスッキリとし、さらにここはそれらが朱に染まっているので、余計に美しく見えます。
そんな本堂からさらに道を進み竜宮城のような門、その名も極楽門をくぐった先に奥の院があります。
門をくぐると道の両側に巨大な卒塔婆が壁のようにずらりと立ち並ぶ不思議な空間が広がっていました。これまで見たこともない景色で、ちょっと独特な世界です。一般的に卒塔婆というと、暮石の後ろや横に立てる高さ2mくらいの薄い板状のものですよね。けどここの卒塔婆はとにかくでかい!長いものは8mもあり、厚さかなりあるのでもはや柱です。
ここ朝熊山は、死者の魂が集まる霊場とされ、供養のために卒塔婆を立てる「丘参り」「丘詣」という信仰があるんだそうです。つまりこの卒塔婆の一つ一つがお墓のようなもので、故人を偲ぶお供え物やお花は卒塔婆の前にそれぞれ置かれていました。
死者の魂の集う場所、それも納得の厳かな雰囲気があり気持ちが引き締まりました。
行ってみてよかったです!
金剛證寺を後にした私たちは、再び伊勢志摩スカイラインに乗って、一路鳥羽に向かいます。
鳥羽観光でお勧めの絶景スポット・夫婦岩
鳥羽に到着した私たちは、二見という場所にある夫婦岩を見に行きました。
夫婦岩とは、ここ二見にある二見興玉神社前の海に並びあった2つの岩で、それらは大注連縄で結ばれていて鳥居の役割を果たしているのです。
二見興玉神社は、道開き(道案内)の神である猿田彦大神を祀っていて、その猿田彦大神縁りの興玉神石が夫婦岩の沖合700mほど先に鎮まっているんだそうです。
その興玉神石は、常世の国から神が降り立つ依り代と言われるとっても神聖なもの。さらに夫婦岩の向こうから昇る太陽が拝めるという、とっても神々しいパワースポットなんです。
5~7月は夫婦岩のちょうど間から日の出が見られるそうですし、夏至の前後2週間ほどの間は、なんと遥か遠くにある富士山から昇る日の出が見えるんだとか!
それをもう聞くだけで、なんだかありがたい気持ちになりますね。
さらにここ二見とは、そのあまりの美しさに倭姫命(やまとひめのみこと)が二度振り返り見たことから名付けられたという景勝地。
神様が二度見するのも納得な美しい景色は、見ているだけで心が満たされていくようです。
夫婦岩と言うだけあって、ご利益は縁結びや夫婦円満。私たちも夫婦円満でまた旅行に来られますようにとお願いして夫婦岩を後にし、宿泊するホテルに向かいました。
この地域の特徴であるリアス式海岸の鳥羽湾に面していて、絶景が楽しめる鳥羽シーサイドホテルが本日のお宿です。
地平線まで見える大海原もいいですが、リアス式海岸特有の、木々がこんもりと盛り上がった半島がそこかしこに見えるリアス式海岸独特の景色もとっても趣があるなぁと思います。
鳥羽シーサイドホテルは景色も楽しめて食事もいい、温泉もあるしで、1泊だけですが満足のお宿でした!
明日はとうとう旅の最終日。地中海気分を味わえるあの場所を訪れます!
鳥羽と志摩を結ぶパールロードで絶景を楽しむ!
ホテルをチェックアウトして、私たちは志摩地中海村を目指してパールロードを南下しました。
パールロードは昔は有料だったようですが今は無料で通れます。ありがたい!
途中にある鳥羽展望台は山頂にあり、360度の眺望が楽しむことができます。
今回、天候にも恵まれて、蒼い海と木々の深い緑、真っ青な空がキレイに見渡せてまさに絶景!でした。
パールロードは海側の景色がよく見えるので、標高の高いところを走っていると入江での養殖の様子なんかもよく見えました。(私は運転しているので見えませんでしたが・・・)
そんな眺めの良いパールロードを走らせること2時間、私たちは志摩地中海村に到着しました。
志摩地中海村は本当に地中海気分!写真映えスポット目白押し
志摩地中海村は、その名の通り地中海沿岸の街並みをイメージして作られました。一歩足を踏み入れると、本当にヨーロッパやギリシャなどの地中海の街に来たかのようです。
どこを撮っても絵になると言うことで、写真映えスポットとしても最近特に人気なんだそうですよ。
ここ志摩地中海村は、「アンダルシアの街」「サルジニアの街」「カスティーリャの街」の3つのゾーンに分かれていて、それぞれ趣の異なる街並みになっています。(2018年からさらに2つのゾーンが追加になりました)
眩しいほどの真っ白な壁とオレンジの屋根瓦が美しいアンダルシアの街並みは、私たちが思い浮かべる地中海沿いの街並みのイメージ通り!明るい太陽の日差しがぴったりな街並みです。
サルジニアの街は、地中海に浮かぶイタリアの島サルジニアをイメージしているそうで、こちらは土壁の茶色が優しい雰囲気。
そしてカスティーリャの街はレンガや石が建物に使われていて、がっしりと丈夫で実用的でありながら、そのレンガや石がうまくアクセントになっていておしゃれ。
一口に地中海沿岸ヨーロッパの街並みと言っても、これだけ雰囲気が変わるんですね。設計もスペイン人がされているそうで、どの街並みも、ふと置かれた小物や家々の合間の木々、花壇の花など、細かなところまでも雰囲気を壊さないよう配慮されていました。
どこを見ても日本とは思えない街並みで感動しっぱなし、写真映え間違いなしです!
ここは宿泊施設でもあり、実は街並みの中の建物が客室になっています。日帰りプランだと滞在時間帯が限られているので、それ以外の早朝や夜の街並みなどは宿泊客だけが楽しめる特権ですね。
ちなみに、私たちが訪れた時は入場無料だったんですが、2017年から有料になったようです。レストランもありますし、クルージングなどの有料アクティビティもあるので、1日中楽しめそうです!
名残惜しいですが今日は旅の最終日、帰りの飛行機の時間があるのでそろそろこの地中海の街を後にしなければなりません。
志摩地中海村から中部国際空港まで高速道路で約2時間半。旅の最後ということもありなかなか疲れましたが、旅が充実していたおかげで満ち足りた気持ちで帰宅の途につきました。
憧れだった伊勢神宮の外宮内宮への参拝、金剛證寺の厳かな空間、夫婦岩のパワースポットに地中海村と、バラエティに富んだ見応え十分、大満足な2泊3日の旅でした!
旅の様子を動画にまとめましたので是非ご覧ください!
【前編】伊勢神宮の旅はこちら!
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それでは今回は以上です。
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